新しい環境に適応できないことに起因するといわれる心のスランプ、5月病。几帳面で責任感が強い人や完璧主義の人などがかかりやすいといわれています。次第におさまることが多いようですが、できればつらいことは回避したいですね。
今回は5月病にならないための予防法や、5月病かもしれないといった状態から抜け出すための解決策についてご紹介します。
夜眠れず、朝は布団から出られない。会社に行きたくない。仕事や勉強に集中できず、面倒でやる気が起きない、これらは5月病のサインといわれています。5月病の原因は、4月に職場や住居など環境が変わり、知らず知らずのうちに体と心に疲労を蓄積させていたのが、ゴールデンウィークで緊張が途切れたり、ゴールデンウィークで生活のリズムがくずれることが大きいといわれます。
予防と解決法としては、まず物事を完璧にこなそうとしないこと。そして、スポーツなどで体を動かし、リフレッシュすることが効果的です。ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動は、脳内のセロトニンの分泌を活性化して、憂うつな気分を抑えるのに役立ちます。趣味の世界を持つこともいいですね。仕事以外のもう一つの環境を持つことで、負担が軽くなり、追い詰められにくくなります。映画やコンサートなどで気晴らしをするのもいいでしょう。
さらに、目標は簡単に実現できそうなものを設定し、達成する喜びを感じるようにしましょう。高い目標は、現実とのギャップでさらに自分を追い詰めるので要注意です。加えて、家族や親しい友達に悩みを聞いてもらうこともとても大切。話すことで気持ちが和らぎ、また人の意見を聞くことで客観的に物事が見られるきっかけにもなるようです。
そして、基本中の基本ですが、規則正しい生活のリズムを守ることが健全な心身をつくるための土台になります。睡眠の質を高め、栄養バランスの取れた食事を心がけるようにしましょう。心のバランスを整えてくれるセロトニンを増やすには、その原料となるトリプトファンを多く含む大豆製品や乳製品、バナナ、ごまなどがいいようです。
環境に順応し、がんばっていこうという前向きな気持ちが、ほんのちょっとしたズレでマイナス方向に転じてしまう5月病。がんばり過ぎず、気持ちをラクに。自分を見つめ直すいい機会だととらえて、ゆっくり歩みを進めましょう。ひとまず、初夏の気持ちいい陽射しを感じながら、散歩にでも出かけてみませんか。ただ、改善が見られないときは早めに医療機関の診察を受けるのがよいでしょう。